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第6回珍味川柳入賞作品発表

応募作品 ペンネーム又は本名
大賞 手に汗と 珍味握って 観た五輪 ことのは
優秀賞 三陸の 珍味取り寄せ プチ支援 沢山人
優秀賞 レバ刺しの 憂さを珍味が 丸くする 世界の波平
佳作 安酒も 珍味しだいで 高級酒 南天
佳作 珍味食べ 口に広がる 大宇宙 瞑王院風雅
佳作 受験生 眠気覚ましに 噛むするめ 八六星
佳作 夏を討つ 珍味片手に 大ジョッキ なるほどマン
佳作 七輪で ラストダンスを するスルメ かつお
佳作 キャビア食べ ブータン越える 幸福度 ジュンイチ
佳作 ピーナツ派 柿の種派が いる平和 とっちん
佳作 アタリメを 噛んで不況の 風に耐え さごじょう
佳作 珍味ほど 存在感の ない夫 楓太郎
佳作 バス旅行 手品のように 出る珍味 珠 柳

応募総数 1965句
入賞作品 13句

選考委員会の講評

~珍味川柳は無限~
第6回の「珍味川柳」は、一昨年を15%上回った昨年をさらに36%も上回る1965作品と過去最高を記録しました。ご参加に厚く御礼申し上げます。その分、川柳味に溢れた珍味川柳も増え嬉しい選考となりました。一次審査を通過した109作品を二次審査でさらに41作品に絞り、最終的に13の入賞作品が決定しました。
今年の作品の特徴としては、やはりロンドン五輪に絡めた作品が多くあり、さらに東日本大震災の復興支援、猛暑など今年の出来事を背景に捉えた作品が目立ちました。勿論それ以外にも珍味の持つ特色を生かした普遍的な珍味川柳も多く、昔から今、さらに今後も続く珍味の人気を実感しました。
大賞の「手に汗と珍味握って観た五輪」は数多い五輪作品の中の代表作と言える作品です。熱戦に手に汗を握りながら観戦したその手に、上手く珍味も握らせました。深夜、一杯引っ掛けながらの観戦が目に浮かんできます。
優秀賞の「三陸の珍味取り寄せプチ支援」は復興中の被災地を応援する作品の代表作です。風評が絶えぬ中、プチに気持ちが篭っています。プチも積もれば山となるですね。
もう一つの優秀賞「レバ刺しの憂さを珍味が丸くする」は、レバ刺し大好き派の私も納得の作品です。何ということをしてくれたと怒っていますが、それを珍味が癒してくれます。「丸くする」が素敵な表現です。
佳作には「猛暑」や「ブータン」「不況」など、今年の話題を上手く詠んだ作品の他、「ピーナツ派柿派」は具体的な珍味での平和を詠んでいて惹かれます。また、「存在感のない夫」「バス旅行の手品」「七輪でのラストダンス」など、珍味の特徴を上手く捉えた作品が目に付きます。さらに「安酒」「大宇宙」「受験生」なども普遍的な作品と言えます。
「珍味川柳」も回を重ねてくると、どうしても同想同表現の作品が増えてきます。しかし、珍味川柳は無限です。次回もさらに一味を加えた珍味川柳を期待しております。
講評 (社)全日本川柳協会理事 津田 暹