HOME > 珍味川柳 > 第12回珍味川柳入賞作品発表

第12回珍味川柳入賞作品発表

応募作品 ペンネーム又は本名
大賞 珍味さえ あればパワハラ 耐えられる あけまろ
優秀賞 一品を 珍味で増やす 妻の知恵 安藤敏彦
優秀賞 くじけるな イカも干されて うま味出る 温州みかん
佳作 イカ刺しを スルメに変える ほど猛暑 スレッジ・サワー
佳作 納税の お礼へ珍味 目が回る 高千穂の峰
佳作 そだねーと もぐもぐタイム 珍味女子 おいまる
佳作 味よりも インスタ映えで 買う珍味 こまっちょ
佳作 鯨肉は 昔給食 今珍味 さすらいの宿六
佳作 国際化 インバウンドも 珍味好き つぼさんご
佳作 金農の プレーと珍味 もう一度 エミテン
佳作 水族館 珍味いるよと 子が叫ぶ ペースかめ
佳作 築地から 豊洲へ珍味 飛んで行く 10年ぶりの日本一
佳作 復興へ 北の大地の 珍味買う マヌカン

応募総数 3639句
入賞作品 13句

選考委員会の講評

~パワハラに勝つ珍味~

毎年多くの作品をお寄せいただき感謝申し上げます。その数もこのところ増え続けてきており、今回もわずかながら増え3,639作品でした。その中から例年通り、まず一次審査で103作品を厳選し、さらに二次審査で35作品に絞りました。その結果を踏まえて最終選考委員会で特選以下入選13作品が決定しました。

作品傾向としては、その年の特徴を始め近年話題になっている事柄を上手く取り入れたものと、本来珍味が持つ味や形などの特徴を上手く生かして詠んだものの二つに大別出来ます。今年の入選作品では前者が9作品、後者が4作品と話題性が強みを発揮しました。因みに昨年は6対7と拮抗していました。

大賞の「珍味さえあればパワハラ耐えられる」は、珍味さえあればパワハラ何するものぞといった意気込みが伝わってきて珍味の有り難さを強く感じさせます。

優秀賞の「一品を珍味で増やす妻の知恵」は、おかずの他に酒の肴を別に用意しなくても済むという経済感覚が上手く詠めています。旦那さんも文句は言えないでしょう。もう一つの優秀賞「くじけるなイカも干されてうま味出る」は出世コースから外れたサラリーマンへの立派な応援歌になっています。スルメは珍味川柳の常連ですが、まさに味のある詠み方です。

佳作の「珍味女子」は流行りの「…女子」を上手く取り入れています。またインスタ映えする珍味や、豊洲に飛んで行く珍味などが目に浮かんできます。北海道地震への応援、災害地への応援に必ず珍味が詠まれます。イカ刺しをスルメにしてしまう猛暑も笑わせます。ふるさと納税の人気も衰えません。インパウンドおよび金農も欠かせない話題で上手く採りいれています。鯨肉も珍味になってしまいました。水族館で泳ぐスルメも可愛いですね。

入選句以外でも同想の作品は多くありましたが、僅かな表現力の違いとご理解ください。

毎年のことながら入選は厳しいですが、次回も是非チャレンジをしてみてください。

講評 (社)全日本川柳協会理事 津田 暹