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第7回珍味川柳入賞作品発表

応募作品 ペンネーム又は本名
大賞 七年後 珍味が目指す おもてなし 船岡五郎
優秀賞 いつ食える アベノミクスで ウニあわび のん兵衛
優秀賞 感謝の意 珍味に込めて 倍返し さごじょう
佳作 スルメから アベノミクスで カラスミに 有馬渚
佳作 いつ食べる「今でしょ」珍味買い求め 散歩
佳作 九九よりも珍味の味を孫覚え 新燃岳
佳作 塩辛を 贈って待つは 倍返し 極楽トンボ
佳作 イカ炙る 情緒なくなる IH とっちん
佳作 イカリング 五輪に並べ 祝い酒 チョコバンク
佳作 コラーゲン 珍味も今じゃ 美容食 鬼瓦 miwa
佳作 ゆるキャラに 負けぬ珍味の 郷土愛 ぽむ
佳作 ゆっくりと 海がこぼれる 貝柱 岡さくら
佳作 珍味食べ おいしく飲める 発泡酒 まだまだデフレ

応募総数 2438句
入賞作品 13句

選考委員会の講評

~珍味でおもてなし~

第7回の「珍味川柳」は、一昨年、昨年に続いて応募数がさらに増え続け、2438作品と過去最高をまたまた更新しました。ご参加頂いた皆様に厚く感謝申し上げます。そこからの入選13作品、入選率わずか0.5%という厳選になりました。一次審査から厳しい目で臨み、それを通過した69作品を二次審査でさらに31作品に絞り、最終的にその13の入賞作品が決定しました。

今年の入選作品の特徴として、やはり今年の出来事の中で強く印象に残ったこと、また、それに関連した言葉を詠みこんだ作品が半分以上を占めました。特に、五輪がらみ、アベノミクス、倍返しは、大賞、優秀賞を含めてそれぞれ2作品が入選を果たしました。一方で珍味の持つ特色を生かした普遍的な珍味川柳も5作品が入選し、必ずしも流行に囚われないことの大切さも感じさせてくれました。

大賞の「七年後珍味が目指すおもてなし」は、数多い東京五輪作品の中での代表作と言えるもので、日本食文化の一つとして珍味がおもてなしに役立つことの期待を上手く表現していて多くの賛同を得ました。

優秀賞の「いつ食えるアベノミクスでウニあわび」は、同想作品の中では庶民感覚を一番上手く表現しているものとして評価されました。もう一つの優秀賞「感謝の意珍味に込めて倍返し」は本来の倍返しの意味を珍味に託して思い直させてくれました。

佳作にもイカリングを五輪に絡めたり、アベノミクスでつまみをカラスミに昇格させたり、塩辛で倍返しを狙ったりと、大賞・優秀賞と同じく今年の出来事を競った作品が入賞したほか、今でしょ、ゆるキャラも上手くこなして入賞を果たしました。また、今年の話題に関係なく、九九よりも珍味を覚える孫、美容食としての珍味、珍味が美味しくさせる発泡酒、ITでは炙れないイカ、海がこぼれる貝柱など、素敵な普遍的作品も目に付きました。次回も必ずしも流行に囚われることなく、新鮮な発想、表現の佳句を期待しております。

なお、応募数に制限はありませんが、ペンネームは審査の都合上同じものを使用してください。

講評 (社)全日本川柳協会理事 津田 暹