第1回珍味川柳入賞作品発表
賞 | 応募作品 | ペンネーム又は本名 |
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大賞 | 父さんの ひざで珍味の 味おぼえ | むかしむかし |
優秀賞 | 珍味食べ ふるさとの海 目に浮かぶ | クックーパイント |
優秀賞 | 珍味出す 女房の口が 動いてる | 雪華 |
佳作 | 墓参り 父が好んだ 珍味持ち | 風来坊 |
佳作 | 下戸だけど 小さな頃から 珍味好き | ヤヨ |
佳作 | 先々に お国訛りと 珍味あり | 悟空 |
佳作 | こっそりと 珍味だすとこ 子に見られ | たっちゃんママ |
佳作 | 子も猫も 珍味開けると 寄って来る | 珍味大好き |
佳作 | 夕ごはん ないと寂しい うにくらげ | 炊きたて |
佳作 | キャビア見る 孫の瞳の 面白さ | 坂口哲雄 |
佳作 | おつまみで ゴハン三杯 いける口 | かみーる |
佳作 | 珍味たべ 二人の仲は まろやかに | 和タイ |
佳作 | イカの旅 果てはするめか 塩辛か | 松崎俊道 |
応募総数 1,153句
入賞作品 13句
■選考委員会の講評
第1回の「珍味川柳」募集ということで、どんな作品が集まるかを楽しみにしていました。まず、どんな食べ物が珍味と考えられているか、つぎに、どのような場で、誰と珍味を食べるか、さらに珍味を食べてどんな思いをしたか、に興味がありました。作品には、珍味と家族関係、ふるさとへの思い、珍味への期待感、珍味とごはん、といった情景が生き生きと描かれていました。また川柳の視点から575でユーモラスに詠まれていました。大賞の句は、珍味との最初の出会いでした。「父さんのひざ」という表現は、家族の団欒を想像させ、温かく楽しい雰囲気を伝えています。優秀賞の「ふるさとの海」は、珍味を食べるとき懐かしいふるさとの豊かな海を思い出すという情景が目に浮かびます。晩酌のつまみはウニでしょうか、コノワタでしょうか、都会に住みながらこの句に共感をもつ人は少なくないと思います。優秀賞のもう1句「女房の口」は、微笑ましい句です。台所から運ぶ途中ママが味見をしている状況を「口が動く」と巧みに表現しています。そういうことが許される家庭はきっと温かみのある家族でしょう。佳作には、酒と珍味、珍味の種類、家族と珍味などを温かく描いた作品がありました。以上
講評 故 今川 乱魚((社)全日本川柳協会 元会長)