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第11回珍味川柳入賞作品発表

応募作品 ペンネーム又は本名
大賞 トランプを きっと無口に する珍味 風信子
優秀賞 わが家では 妻に忖度 珍味買う 正さん
優秀賞 いい夫婦 明日もお祝い 珍味の日 ぽむぽむ
佳作 スルメ不漁 珍味業界 アオリ食う さすらいの宿六
佳作 ミサイルの 怖さ珍味で 忘れ去る 新燃岳
佳作 人生に 君と珍味は 外せない おいまる
佳作 妻が押す カートにそっと 珍味入れ よし得
佳作 海ぶどう ぶどうじゃないと 孫が泣く さごじょう
佳作 珍味にも あったらいいな シニア割り つぼさんご
佳作 支持率が 下がることない 珍味党 Akiki
佳作 取り上げろ 森の友より 酒の友 珍味ボーイ
佳作 インプラに 変えて珍味を 百寿まで まこっちゃん
佳作 ジジ探す スルメは孫の 腹の中 紫味

応募総数 3637句
入賞作品 13句

選考委員会の講評

~無口なトランプ~

毎年増加し続けている応募数が今年もさらに7%アップし3637作品が集まりました。特にメールでの投句が増えつつあります。ご協力に感謝申し上げます。

選考方法は例年通り、まず一次審査で約2%の76作品を厳選、さらに二次審査で32作品に絞られました。その結果を踏まえ最終選考委員会で特選以下入選13作品が決定しました。

今年の入選作品の特徴は、今年の話題を活かした作品と普遍的な作品が6対7と拮抗したことです。今年の話題としては大賞にも選ばれたトランプの他、モリカケ、忖度、ミサイル、イカの不漁などが入賞を果たしています。普遍的な作品には珍味を愛する気持ちが滲んでいる作品が目に付きました。

 大賞の「トランプをきっと無口にする珍味」は、数多くの問題発言で話題になっているトランプ大統領も無口にさせてしまうほどの魅力が珍味にあることを詠んでいて参ったという感じです。来日時にどうなるか楽しみです。

優秀賞の「いい夫婦明日もお祝い珍味の日」は11月22日と11月23日がたまたま隣り合っていることから詠んだもので、見附けの勝利と言えます。もう一つの優秀賞「わが家では妻に忖度珍味買う」は話題の忖度を活かしてかかあ天下気味の夫婦関係を珍味に托して詠んでいて微笑ましさを感じさせます。

佳作の「スルメ不漁」は「アオリ食う」と上手く掛けています。その他「ミサイルの怖さ」を珍味で忘れたり、人生に欠かせない「君と珍味」、「妻の押すカート」にそっと入れる珍味、孫が葡萄じゃないと泣く「海ぶどう」、珍味の「シニア割」、支持率の下がらない「味覚党」、「森の友」より酒の友、「インプラ」で百寿までの珍味など、珍味の特質を上手く捉えた作品が入選を果たしています。「孫の腹」の中のスルメを探す爺も笑わせます。

毎年のことながら入選は厳しく今回は280句に1句とでした。発想が同じでも単なる報告調ではなく、なるほどと思わせる見付けが決め手になります。次回も今までの入選句などを参考に、是非入選を目指して作品をお寄せください。

講評 (社)全日本川柳協会理事 津田 暹