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第18回珍味川柳入賞作品発表

応募作品 ペンネーム又は本名
大賞 炙られて踊るスルメはブレイキン ままっち
優秀賞 晩酌は酒と珍味と大谷で てまり
優秀賞 珍味五輪あれば日本の金ラッシュ アルサプア
佳作 まだ半分珍味で辿る日本地図 隼人
佳作 置き配の珍味が無事で舌鼓 あけぽん
佳作 飽きさせぬ並ぶ珍味の多様性 おきょう
佳作 訪日客お気に召したか手に珍味 ぱたこ
佳作 ふるさとの珍味目当てに税納め ごっちょさん
佳作 お通しの珍味で流行る立ち呑み屋 角田創
佳作 ローカル線珍味片手にひとり旅 あきクマ
佳作 幸せのキックバックがある珍味 鯛好坊
佳作 映えずとも味でバズったこの珍味 竹井龍
佳作 イカリング5つ並べて五輪見る マコッチャン

応募総数 3,692句
入賞作品 13句

選考委員会の講評

入選作品のユニークな味わい

江畑 哲男

珍味川柳も第18回を数えました。今年の応募作品数は3692句に達しております。有り難うございます。お陰さまで、「珍味川柳」は多くの皆さんに愛され、知られるようになって参りました。嬉しい限りです。
珍味川柳のように、世間に広くPRして、どなたでも応募ができるコンテストを「公募川柳」と呼んでおります。公募川柳の最大のセールスポイントは「共感性」かと思われます。川柳作品を読んで下さった皆さんが共感をしてくれること。「わかるなぁ」「ナルホドねぇ」「コレは、上手い!」、こうした共感性が公募川柳の「命」とも言えるのです。
今年も優れた作品が集まりました。作品の量・質ともに向上し、今年の特徴としてはユニークな味わいの句が目立ちました。題材や表現技法もバラエティーに富んでおりました。「共感性」の要素の一つに「つかみ」がありますが、入選作はきっと読者の心をつかんでくれるものと信じております。
大賞作品及び優秀賞作品については、下記にコメントを付けさせていただきました。皆さんのご鑑賞の一助としてご活用いただけたら幸いです。有り難うございました。

《大賞作品》
炙られて踊るスルメはブレイキン」(ままっち)
楽しい川柳ですねぇ。ブレイキンのように「躍るスルメ」を見事に描いております。パリ五輪で一躍有名になったブレイキンという競技。それをいち早く取り上げた話題性、躍るスルメの描写力、さらにはユニークな仕立て方と、三拍子揃いました。審査委員一同絶賛した一句でもあります。文句ナシの大賞受賞! おめでとうございます。

《優秀賞作品》
晩酌は酒と珍味と大谷で」(てまり)
大谷翔平選手の連日の活躍は、私たち日本人を明るく元気づけてくれました。いいえ、もしかしたら世界中を明るくしてくれた、数少ないトピックの一つかも知れませんね。川柳の世界でも大谷選手はよく取り上げられております。この句は、「酒」と「珍味」と「大谷」の三者を取りあわせた点がお手柄でした。

《優秀賞作品》
珍味五輪あれば日本の金ラッシュ」(アルサプア)
大賞作品と同じく五輪をテーマにしていますが、目の付けどころが少々違っておりました。こちらは「珍味五輪あれば」と、仮定の話に置き換えているのです。近年は空前の日本ブーム。以前からある「モノづくり日本」のイメージから、日本食も含めた日本文化全体への関心が高まっているようです。ナルホド、もし「珍味五輪」があれば、日本は間違いなく金メダルラッシュに沸くことでしょうね。

(一般社団法人・全日本川柳協会副理事長)