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第2回珍味川柳入賞作品発表

応募作品 ペンネーム又は本名
大賞 オー”CHINMI” いつかはきっと 国際語 21世紀
優秀賞 こわごわと 食べた珍味が 癖になり 坂口哲雄
優秀賞 珍味買い 単身赴任の 夫待つ 俄か雨
佳作 おっぱいの 次はするめの 一歳児 古賀由美子
佳作 塩辛で ママは熱燗 パパご飯 珍鈍しゃん
佳作 お土産の ウニで夫婦が 仲直り 文彦
佳作 歳暮前 珍味が好きだと 言い回り
佳作 旅土産 珍味買い過ぎ 着払い マリーナ
佳作 旅みやげ 貰った珍味を お取り寄せ F長坂
佳作 列車待つ 手には珍味と 缶ビール ひつじ男
佳作 左遷の地 酒と珍味と 人情と ろく
佳作 珍味との 出合いは祖父の 膝の上 りりん
佳作 子が寝たら 珍味を出して 夫婦酒 とんとん

応募総数 799句
入賞作品 13句

選考委員会の講評

~珍味の国際化もイメージして~
第2回の珍味川柳募集には799句が寄せられた。珍味に対する投句者のイメージはおおむね的を得たものであった。
珍味をげてものと混同しているような句はほとんどなかった。そうなるとドラマの舞台は、珍味をどのような場で、誰と食べているかという点に焦点が移された。大賞作品はそのイメージを国際語にまで広げた。
大賞の句「オー“ CHINMI ”いつかはきっと国際語」が描くところはまったくの夢ではない。外国語にない言葉に日本語がそのまま使われる例も増えている。“CHINMI”のローマ字もあり得ないことではない。珍味の近未来を詠んだ楽しい川柳である。
優秀賞の句「こわごわと食べた珍味が癖になり」も珍味の性格をよく見ている。ウニやホヤの初体験には「こわごわ」の表現が当たっている。そして「癖になる」ところも珍味たる所以である。平易な五七五で珍味をよく言い表している。
もう一つの優秀賞の句「珍味買い単身赴任の夫待つ」は珍味を通じて夫婦の情愛が描かれている。夫の好物である珍味を買う妻、帰宅を楽しみにしている単身赴任の夫、日常の食生活に珍味が潤いをもたらしている状況がよく詠まれている。
このほか佳作にも、珍味と酒、珍味とご飯、珍味のみやげなどを詠んだ人情味のある川柳があった。以上
講評 故 今川 乱魚((社)全日本川柳協会 元会長)