珍味(カニ)
世界中で愛されているカニ。エビとならび日本人には格別の人気がある。
ここでは、食用としてよく知られているタラバガニ・ズワイガニ・ケガニを中心に紹介しましょう。
■タラバガニ
実はタラバガニはカニではなく、ヤドカリの仲間。
第2触角、はさみ脚の腕節が長く、第4歩脚が短い等がヤドカリ類と共通の特徴。
全身が暗紫色で甲は丸形、歩脚を広げると1m以上になる。
タラ漁の漁師が仕事を怠けた時、網にかかったのがこのカニ。これがタラバガニ漁のはじまりで名前もそこから付いたといわれる。
カルシウムと糖質を他のカニより多く含んでいるので歯ごたえがあり、こくのある甘みが感じられる。
■ズワイガニ
北陸地方でエチゼンガニ、山陰地方でマツバガニと呼ばれる日本海の冬の味覚である。多くの地方名の呼び名はあるが、いずれも大型の雄だけがズワイガニと呼ばれる。
雄は甲長15cm、雌は8cmしかない。形はやや縦長の丸みのある三角形でいぼ状突起が散在する。
生きているときは黄褐色だが、加熱するとオレンジ色になる。
さまざまな料理に使用される。
■ケガニ
やや縦長で甲長15cmほど。その名のとおり毛が生えたカニ。
日本海に多く分布するほか、宮城県以北の太平洋、ベーリング海からアラスカ沿岸まで分布。
甲は比較的やわらかいので食べやすく、肉量が多く、味もよい。
塩ゆでしてそのまま食べるのが一般的。カニみそがまた格別。
リンとカリウムを多く含み、特にタンパク質量は他のカニよりかなり多い。